言葉でできた夢をみた。

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。(書きながら、勉強中。)

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

琵琶の花、咲かせる。語りの鎮魂―古川日出男訳『平家物語』

今更、なんて言わないでもらいたい。 2018年の私の読書は『平家物語』で幕を開けた。2016年の十二月に、新しい現代語訳が出ていたのである。 古川日出男 現代語訳『平家物語』池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 / 河出書房新社、2016年 平家物語 (池澤夏樹=…

紙ヒコーキは投げ放たれた―チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』

最近、私のまわりでふつふつと、韓国文学が話題になり始めている。好きな小説家のひとりである小山田浩子さんの『穴』が昨年9月に韓成禮(ハン・ソンレ)さんの翻訳によって韓国で出版されたり、注目していた「小さな文芸誌」である『吟醸掌篇』vol.2の読書…