2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧
今回は、第48回新潮新人賞を受賞してデビューした古川真人の新人賞受賞第一作「四時過ぎの船」について書いていきたいと思う。 デビュー作である『縫わんばならん』は芥川賞候補になり、単行本も出版されている。『縫わんばならん』について、小説家の小山田…
いつか自分も、自分の中にあるもので充足して同時に自分の作り上げた作品にも満足できる日というのが来るのだろうか、たとえば……晩年、とかに。でも、それがいつなのかということは主体が生きている間、明確に意識されることはきっとなくて、と、いうことは…
ある日、ニコニコして家に帰ってきた彼女が鞄からおもむろに取り出したものがそれだった。一体どこで採って来たのやら、妙な構造をしたキノコらしきものが描かれた本だ。彼女はそれをテーブルに置くと「そこらへんの本屋に普通に生えていたの」と言った。そ…
気になっていた小説家の作品を、4月5月と縁がありようやく読む事ができた。 その小説家というのは笙野頼子という人で、名前くらいはうっすら聞いたことがあったが、実際にはなかなか読む事ができないでいた。で、どうして今年になって急に読み始めたかという…