言葉でできた夢をみた。

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。(書きながら、勉強中。)

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生きることと読むこと。アンナと読書―トルストイ『アンナ・カレーニナ』

今回は「アンナと読書のこと」と題して≪生きることと読むこと≫という視点から『アンナ・カレーニナ』について書いていきたい。 アンナ・カレーニナ〈下〉 (岩波文庫) 作者: トルストイ,中村融 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1989/11/16 メディア: 文庫 …

印象が風景と溶け合う描写の瞬間―トルストイ『アンナ・カレーニナ』

過去に、トルストイの後期作品『復活』について書いた時にも注目した風景描写であるが、『アンナ・カレーニナ』でも素晴らしい自然風景が描かれている。今回の記事では『アンナ・カレーニナ』に描かれた美しい風景を引用でいくつか紹介したい。人の印象や心…

生と死のコントラスト―トルストイ『アンナ・カレーニナ』

「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」(トルストイ/中村融 訳『アンナ・カレーニナ』上巻、5頁作品冒頭部より引用) アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫) 作者: トルストイ,中村融 出版社/メーカー: 岩波…

「どっこい生きてる」人に寄り添う―栗林佐知『はるかにてらせ』

今回は、栗林佐知『はるかにてらせ』(未知谷 2014年)についての感想。 はるかにてらせ 作者: 栗林佐知 出版社/メーカー: 未知谷 発売日: 2014/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る あー、今私、絶対汚いこと思ってるよね、っていうか心の中で…

過去を生き直す眼差―ル・クレジオ『春 その他の季節』

今回は、ル・クレジオ(佐藤領時 訳)『春 その他の季節』(集英社 1993年)について書いていく。 春 その他の季節 作者: ジャン・マリ・ギュスターヴル・クレジオ,J.M.G. Le Clezio,佐藤領時 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1993/09 メディア: 単行本 購…

本は読みたいようにしか読めない、ということに自覚的であること。

今回も『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という本を読んで考えたことについて書いていきたい(今回でこのシリーズ(?)終わりにしたいと思います。実にいろいろなことを考えさせられた本だった、おススメです。) 関連記事↓↓ mihiromer.hatenablo…

「生涯学習」のふたつの側面、あるいはこれはエグイことかもしれない

今回は前回の記事の最後に予告した通り【「生涯学習」のふたつの側面、あるいはこれはエグイことかもしれない】ということについて考えたことを書いていきたい。だいたい『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という本を読みながら考えていたことだ。 …