言葉でできた夢をみた。

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。(書きながら、勉強中。)

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

本棚に入れたい本―『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』

この本は、ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールによる、書物やその歴史から文化というものについてまで幅広く、時にマニアックに語った対談です。 もうすぐ絶滅するという紙の書物について 作者: ウンベルト・エーコ,ジャン=クロード・カリエ…

過去に、未来に、手を伸ばす―ル・クレジオ『パワナ―くじらの失楽園』

「それが始まりだった、まったくの始まりだった、そのとき海には誰ひとりいなかったし、鳥たちは太陽の光と果てしない水平線のほかなにひとつなかった。幼いころから、わたしはそこへ、すべてが始まりすべてが終る場所へ、行きたいと夢みていた。」 (ル・ク…

縁とは、無限の渦潮に似ている―いしいしんじ『悪声』

いしいしんじの作品で私が初めて読んだのは新潮2011年9月号に掲載されていた「ある一日」という小説だった。この作家の作品は、書くことに悩んで執筆の手が止まりかけた私にいつも火をつける。本の中から溢れ出し、膨らむイメージの奔流に、私の悩みは押し流…

語る―ガルシア=マルケス『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』

今回は、前回の記事で触れた書籍、G.ガルシア=マルケス『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』(木村榮一訳、新潮社2014)についての紹介です。 ぼくはスピーチをするために来たのではありません 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel G…

孤独な風景がみえてくる―ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』

ヘンリー・ジェイムズ(蕗沢忠枝訳)『ねじの回転』(新潮文庫) ねじの回転 (新潮文庫) 作者: ヘンリー・ジェイムズ,蕗沢忠枝 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1962/07/09 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (36件) を見る 読…