言葉でできた夢をみた。

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。(書きながら、勉強中。)

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

どこにもなくて、遍くある―絲山秋子『神と黒蟹県』

〈蟹という字が書けるだろうか。〉 黒蟹営業所への異動が決まって、北森県から黒蟹県紫苑市へ赴任することになった三ヶ日凡。彼女が最初に思ったこんなことからこの小説は始まる。書き慣れない文字のある住所に移り住むこの感覚は転勤族の家庭で育った私には…