言葉でできた夢をみた。

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。(書きながら、勉強中。)

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

酔っ払い小説―滝口悠生「文化」「夜曲」

滝口悠生さん、改めまして芥川賞受賞おめでとうございます。デビュー作「楽器」(新潮新人賞受賞)から淡々とやっていたような印象があります。デビューから読んでいた作家の受賞は、私が「書き続ける」ということのモチベーションになるみたいです(笑) 今…

アジール、道祖神としての廃車―絲山秋子『薄情』

今回はこの小説作品について。 薄情 作者: 絲山秋子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/12/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 絲山秋子の「薄情」という小説を読んでいて、ふと思い浮かんだ言葉、それが「アジール」だった。アジー…

静かで、綺麗で、切ない―ブルーノ・タウトの文章

不思議だな、と思うこと。 ブルーノ・タウトがナチスによって祖国から迫害されなかったら、今私は彼の著作を読んでいないだろうな、ということ。同時にブルーノ・タウトが「日本美を再発見」することもなかっただろうな、ということ。世界史的な出来事が、こ…

ブルーノ・タウト―2 眼が思考するということ、「床の間」と「博物館」

「床の間は芸術および芸術の集合場所であって、そこに据えられた僅かな什器と相俟って、思いのままに変ずる独自の雰囲気を部屋に与えさらにまた、部屋そのものに対して均衡によるあたうる限り間然するところのない純粋さを要求する。これを煎じ詰めていえば…

ブルーノ・タウト―概要、文化論もろもろ

私がブルーノ・タウト(1880-1938)という建築家を知ったのは昨年のことで、とある文学論を読んでいた時に引用されていた一節がきっかけだった。 その一節というのは「眼が思考する」ということだった。思わず部屋中をぐるりと見回してしまったが、私の眼は…