二重の円 / 唯一と多様―カルロス・フエンテス『テラ・ノストラ』

前回に引き続き、今回もカルロス・フエンテス『テラ・ノストラ』を読んだ感想を書いていきたいと思う。 カルロス・フエンテス 著、本田誠二 訳『テラ・ノストラ』(水声社、2016年) 前回記事↓↓ mihiromer.hatenablog.com ■二重の円構造 この作品の構造が「円環」になっているということは、同じイメージが何度も反復され…