盗み続ける書評―仙田学「盗まれた遺書」

我々は、日々、生きる中で、盗み続けているのかもしれない。 「盗み続ける書評」という言葉をふと思いついた時、この作品の怖さにぶち当たったような気分になった。 「遺書を読みこめば読みこむほど、自分のもとに届いたことが当然のように思えてならなくなってくる。まるで自分がいつか書いたもののようだった。だがいつ…