「物語」は面白い―バルガス=リョサ『密林の語り部』

今も昔も、人間は絶えずフィクションを生み出し続け、語り続けている。物語る、ということに終わりはなさそうだ。今回ここで紹介する小説、バルガス=リョサ『密林の語り部』はズバリ、「物語」というものについて掘り下げた作品だ。 バルガス=リョサ(西村英一郎 訳)『密林の語り部』(岩波書店、2011年) 密林の語り部…