二項対立の間、遍歴する思索と行動―トルストイ「復活」1

トルストイの「復活」という作品を読んだ。トルストイは「戦争と平和」(1869)「アンナ・カレーニナ」(1877)が有名だろうが、今回は敢えて岩波文庫全2巻で終わるから、という不純な動機で「復活」を選んだ。 今回読んだ「復活」という作品は1899年のもの、前年の『芸術とは何か』という作品で、自身の過去作品をすべて…