Danse Macabre!

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。

耐久メディアの脆弱性とゲーム機についての雑感

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子供の頃、永遠に続くと思っていた……

スーパーファミコンの時代(ボソ)

 

今回も『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という本を読みながら考えたことについて書いていきたいと思う。画像多めに、まぁ、時には昔の話をしようか。

 

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

 

 

 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』の中に「耐久メディアほどはかないものはない」という章がある。世の中にはいろいろなメディアがあるけれど、結局どれもこれも紙の書物に比べて耐久力がない、という話(ものすごくざっくり書きました)。というのも、各種メディアの規格はどんどん古くなり、新しいものに取って代わられるなどして再生不能になってしまうものばかり。それから、意外と物理破損(劣化)もしやすい。メディアの宣伝文句にあるような「半永久的な保存」は夢物語だ。

 

それはそうと、これは今の時代の一つの傾向ですよ。技術の進歩ゆえに古くなってゆくものを、せっせと揃えてゆくしかない、というね。ベルギー人で映画を作ってる友人が、地下倉に一八台のコンピューターを持ってるんです。なぜかと言うと、ただたんに、過去の作品を再生して観るためなんです。それもこれもすべて、耐久メディアがどれほどはかないものかということの証明です。現代の記録媒体がいかに脆弱かということは、日頃からさんざん論じられていて、聞き飽きた感がありますが、あなた(ウンベルト・エーコ)や私(カリエール)のようなインキュナビュラ愛好家にとってみれば、微笑を禁じえない話ですよね。」

(『もうすぐ絶滅すると言う紙の書物について』阪急コミュニケーションズ2010、35頁-36頁より引用、ジャン=クロード・カリエールの言葉)

 

覚えているだろうか。

かつてVHSとベータマックスの戦いがあったことを。

Blue-ray DiscとHD DVDの戦いがあったことを。

(有名なメディア規格戦争)

 

覚えているだろうか。

すぐにデータが吹っ飛ぶフロッピーディスクを。

印字が数年も経たずに薄くなって消えてしまうワープロ用感熱紙を。

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音楽と言えばカセットテープ→CD、一瞬だけMD→MP3プレイヤ

私の短い人生の中ですでにこれだけの変遷を見てきた(さすがにレコードまでは遡らなかった・微笑)。昔の携帯音楽プレイヤーはカセットテープそのもの、あるいはCDそのものを持ち運ばなければならなかった。カセットテープに関しては、エヴァンゲリオンの主人公、碇シンジが使っている印象的なシーンがあるから知っている人が多そうである。

私が知らないままに消えていったメディアも多数あるだろう。

 

でも、変化は当たり前のことだ。

フロッピーのデータが読み込めなくなっても、Windows XPのサポートが切れて古いパソコンが無用の長物と化しても、私は悲しくはない(そういえばWin95が入っていたPCってどうやって処分したんだっけ……?)。自分の幼い頃が記録された(確かピアノの発表会)唯一のメディア、VHSが再生不能になっても私は何とも思わない。

私が唯一悲しいのは、家庭用ゲーム機である。

ここで冒頭の話。そう、永遠の続くと思っていたスーパーファミコンの時代(笑)

まさか家庭用ゲーム機が苦戦する時代が来るとはあの頃想像さえしていなかった。

他にも色々懐かしいものがあるので写真を載せておこう。

「最後かもしれないだろ? だから全部話しておきたいんだ」(昔の某有名RPGに出てきた台詞)。

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ゲームボーイ(写真はゲームボーイカラー、互換性があるので初期のゲームボーイのソフトもプレイできる。初期のゲームボーイは引っ越しを繰り返すうちに行方不明になってしまった)。

 

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スーパーファミコンとその登場以前に遊んでいたファミリーコンピューターのソフトたち

(自分どんだけマリオとカービィ好きなの笑)

 

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↑PS1のソフト。

 

カリエールの友人じゃないけれど、私はこれらのソフトを今でもプレイするためだけに、ハード(ゲーム機本体)を大切に持っている(ファミリーコンピューターだけは壊れてしまった、ショックだ/震)。画像は載せないけれど、そろそろPS2のソフトも再生できない日が来るのかもしれない。

 

そう思えば、やはり紙の書籍は強いと思う。自分が十代に満たない頃に読んでいた本が、今でもなんの心配もなしに読めてしまう。ゲームに比べてやはり残りやすいらしい。紙の書籍の、その構造の単純さゆえに

 

「もう一度言いますが、書物は車輪と同じような発明品です。発明された時点で、進化しきってしまっているんです。」

(『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』より「今日出版される本はいずれもポスト・インキュナビュラである」171頁より、ウンベルト・エーコの言葉。「書物が車輪と同じような発明品」で紙の本というのは根本的にこれ以上、改良の余地がないことが繰り返し述べられている。)

 

さて、もしどうしても残したい記録があるとしたらどうすればいいんだろうか……?

歴史的にみて「石版に刻まれた物」がよく残っている気がする。紙にとって最大の敵、炎にすら勝ち得る……。ということはやはり【石版】が最強の耐久メディアなのか?!←笑