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Danse Macabre!

海の底からわたしをみつめる眼は、きっといつか沈めてしまったわたし自身の眼なのだろう。

永遠に続く、たった一日の恋 ―映画「ローマの休日」

今年2015年、初めてかの有名な映画「ローマの休日」を観る機会に恵まれました。今までずっと気にはなっていたのですが、レンタルDVDを借りようにも、あまりにも田舎すぎて、店頭にないんですよね、古い映画は悉く……。

今回は職場の人から幸運にもDVDを借りることができ、視聴することができました。制作50周年記念デジタルニューマスター版DVD、特典映像もあり買う価値を感じた……。(ただしローマ観光案内、みたいな特典映像は正直つまらなかった……あれはいらないかもしれない・苦笑)

 

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版) [DVD]

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版) [DVD]

 

 

 

映画本編は、英語版と日本語吹替版の両方をみました。当初は日本語吹替版は観なくていいかな、と思っていたのですが、オードリー・ヘプバーンの声を当てているのがまさかのメーテル池田昌子さん)だったのでこれはもう観るしかないと(笑)

 

やはり、名作と言われる映画……ありふれた感想になってしまいますが本当に素晴らしかったです。公務でローマを訪問したとある国の王女様(オードリー・ヘプバーン)が宿泊している大使館をこっそり抜けだし、アメリカ人の新聞記者(グレゴリー・ペック)とたった一日の恋をする物語。コメディー映画なんですが、最後の方はなんだか涙が……。

オードリー・ヘプバーンの演技がすごくて、毅然とした美しい王女の姿と、市井の娘(アーニャという偽名を使用している)としてローマを遊び回る可愛い姿、この演じ分けがすごいんです。特に、大使館に戻った直後の王女の「責任」ということを語る毅然とした王女の姿、また最後の記者会見での毅然としながらも、たった一日だったけれど大切な思い出となったローマでの出来事を慈しむ、そのさりげなく醸し出される雰囲気がたまりませんでした。

市井の娘アーニャとしては、髪をばっさり切るシーン、ジェラートを食べているシーン、それから真実の口のシーンが印象的でした(ちなみに真実の口のシーンを初めてみた時、オードリー・ヘプバーンがすごいいいリアクションをしたなぁ、と思ったのですが、あの驚きのリアクションは演技ではなく、グレゴリー・ペックが本当に仕込んだドッキリだったそうです)。
あと、ギターで人の頭をぶん殴っているシーンとか(笑)カメラマン役のエディ・アルバートがこのシーンを引き立てていたように思います。

 

今回デジタル版としてフィルムの傷みや汚れを除去し、綺麗に生まれ変わったこの映画、実はスタッフクレジットにもちょっとした秘密があったみたいです。
それは、当初脚本のダルトン・トランボの名前が表記されていなかったのですが、今回のデジタル化で彼の名前が追加されたようです。
第二次世界大戦後の政治状況の中で、いわゆる「赤狩りマッカーシズム)」という共産主義の排斥運動が起こったのですが、その標的とされったダルトン・トランボは映画界から追放されてしまっていたのです(ローマの休日はイその追放時期にトランボによって脚本が書かれたようです)。
映画界にも悲しい過去があるもので、表現の自由の重さみたいなものをしみじみと考えてしまいました。政治的立場によって芸術家としての立ち位置が左右されてしまうのですね。

 

 

最後にこれは私がこっそり思っていることで、共感してくれる人は少なそうですが、「ローマの休日」の王女様を見ていると、「ターンAガンダム」のディアナ・ソレル女王陛下のことを思い出します。実際、ローマを遊び回るアン王女のスカートとブラウスのデザイン、ターンAガンダムのキエル・ハイム嬢の私服に似てませんか?(笑)
威厳のある女王ディアナ様と、年頃の少女っぽいキエル嬢に扮するディアナ様、この二面性ってやっぱり「ローマの休日」から少なからず影響を受けているのでしょうか、なんて思いながら楽しみました。
そういえばガンダムで思い出したけれど、「ガンダムUC」のヒロインは偽名としてオードリー・バーンを名乗っていますね。

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ローマの休日】概要(DVDより)
1953年公開(日本初公開1954年)
製作50周年記念デジタル・ニューマスター版公開2003年9月13日)

STAFF
製作・監督:ウィリアム・ワイラー
原案:ダルトン・トランボ
脚本:イアン・マクラレン・ハンター、ジョン・ダイドー

CAST(吹替版/声の出演)
ジョー・ブラドリー:グレゴリー・ペック城達也
アン王女:オードリー・ヘプバーン池田昌子
アービング・ラトビッチ:エディ・アルバート(大塚明夫

キャッチコピー「永遠に続く、たった一日の恋。」

1953(第26回)アカデミー賞
主演女優賞:オードリー・ヘプバーン
脚本賞:イアン・マクラレン・ハンター
衣装デザイン賞:イーディス・ヘッド